アウト*サイダー

「ハスミ……かまって」

 放っておけない感じが憎たらしいけど、憎みきれない。変な人。

「……寝癖、ついたままだよ」

 後頭部ではねた髪の毛が覗いている。

「自分じゃ直せない。直して、ハスミ」

 彼が机に肘をつくと距離が一気に近くなった。

 腕捲りした男の子の腕。

 柔らかく笑った顔。

 私は乱暴に彼の頭をわしゃわしゃとかき回した。

 ひゃー、とか困ったように眉を八の字にさせながら、それでも笑っているケイ。

「なんで笑ってるのよ」

「もっと撫でて」

「変態め」

 可愛いげなく毒づいてもケイは嬉しそうだ。仕方なく、手を伸ばしてぼさぼさになった髪を直す。

 すると、途端に黙り込んで顔を赤くするから、私の爪が引っかかったのかと思って手を止めた。
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