アウト*サイダー

 さすが恋愛マスターだ。

 これまで幾人の告白を経験されたんだろう。

「ないです、はい」

「じゃあ、今、宮永以外に告白されたら、宮永に対する気持ちが揺らぐと思う?」

 まあ、そんなことは起こり得ないだろうが、もし違う人に告白されたら……?

「ケイ以上の告白が思い浮かばなくて、ちょっと考えられない」

「……どんな告白の仕方されたの? ま、それが答えなんだったら、そんなに不安にならなくていいんじゃない。ハスミンが心配してるのは宮永を傷付けないかどうかでしょ。十分ハスミンも好きって気持ちがあるみたいだし大丈夫っしょ」

 須賀さん……いや、恋愛マスター!

 ありがたやー、ありがたやー。

 手を合わせて拝む私に、満更でもない様子の須賀さん。

 爆睡してたはずの篠田さんが起きて初めにそれを見て「……スガ教」と珍しくボソッと呟くと、再び眠りについていた。
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