アウト*サイダー
一時間目が終わるチャイムが鳴って、教室の後ろにあるロッカーから教科書を取りに行こうと席を立つ。
私のロッカーは一番下の段にあるので煩わしいけど膝を折って取らなければならない。扉の所に貼ってある時間割を見ながら教科書を取り出していっていると、突然……
バサバサっ! という音と、目の前を何かが降ってきて、それが全部私の手元に落ちた。
私のすぐ右隣にいた足を目でたどる。
「あー、ごめーん。当たったー?」
私を見下ろす女子。
ろくに喋ったこともなければ、名前すら知らない女子。
だけど今この瞬間から、めちゃくそムカつく奴になった女子!!
河西さんのグループが私に対する噂(事実無根なもの)を流しているのは知ってるし、この間のハルちゃんとのやり取りを聞いていた男子たちによって、その噂が確固たる真実になって、クラスでつまはじき者になってるのも分かっている。
けどさ!
無視とか噂話とかはもう仕方ないから諦めてやろうって、こっちだって妥協してやってんだから、物理は無しだぜオネーサン。