アウト*サイダー
ケイと至近距離で顔を合わせてしまって、慌てて視線をそらす。
本当にびっくりしてドキドキしてる。いきなり現れたから……いや、さっき散々ケイのことを話してたから?
どちらにしても、どんな顔をすればいいか分からない。
「場所、移動しよっか」
え……と声にする間もなく、立ち上がったケイに腕を掴まれ、強制的に立たされると教室の外に連行された。
ケイの後ろをついて行きながら、彼が体操服とジャージ姿なことに首を傾げる。もしかして、私が水溜まりをバチャーンとしたから!?
うわー。悪いことしたなぁ、ごめんなさい。
罪悪感に頭が上がらないとは露知らず、ケイはクラスから離れた所で立ち止まって振り返ると、開口一番に……
「ハスミ、虐められてるの?」
ド直球ー!!
虐めを受けている人にそんなこと聞いちゃ、一番ダメなやつー!!
「ケイ、そういう質問はちゃんとオブラートに包んで人に聞こうね」
「あ……ごめん。じゃあ、ハスミは、クラスでぼっちなの?」
やめてー!!
傷を抉るなー!!
「もういいや、ケイにオブラートなんて無理な要求だった」