アウト*サイダー
「俺……頑張るから。ハスミが“俺だけのハスミ”でいたいって思ってくれるように。ハスミが俺と付き合いたいって思ってくれるように」
耳元で囁かれ、その熱い吐息に条件反射で逃げそうになったけど、それを見越していたかのように握られた手に阻止された。
「どう? 俺って打たれ強いでしょ。だから泣きたくなったら、いつでも俺の胸に飛び込んで来てね」
首を傾けて目を細めるケイに、敵わないなぁと笑う。その私の隣で「俺も仲間に入れて」とリョウスケが泣きそうな顔をする。
「何だよ……それ…………俺の知らないとこで……ぐすっ……お前ら、付き合ったら……一番に俺に知らせろよなっ……うぅ!」
そんな大袈裟な……と思いながら、片腕に顔を埋めてうぉん、うぉん咽び泣く彼の肩をぽんぽん優しく叩いてやる。
「何で一番にリョウスケへ知らせなくちゃいけないんだよ。ま、でも、仕方ないから学校中に知らせた後だったらいいよ」
「何だとぉっ!?」
対して、優しさの欠片もなくシニカルな笑みで言ったケイに、リョウスケは餌を与えられた鯉の如く真っ先に食い付いた。
「あー、もう、何でもいいからお昼食べたい!」
毎度の事ながら板挟みにされる私が怒鳴れば、リョウスケは鼻息荒くケイからそっぽを向いて、ケイはそんなリョウスケに目もくれないで私を一心に見つめてくる。