アウト*サイダー
立ち止まっていた私の所に戻ってきたケイが手を繋いで、後から来たリョウスケは私の肩に腕をまわした。
「ごめんごめん、もうすぐだからな!」
「何がもうすぐだ……その汚い手を今すぐハスミから退けろ」
ハハハ、というリョウスケの乾いた笑い。それは怒りを越えた者の笑い。
リョウスケがケイの首元に手を回して自分の方へ引き寄せたことで、真ん中にいた私は必然的に背の高い二人に挟まれて身動きが取れなくなる。
「仏の顔も三度までって聞いたことないかなぁ?」
怒りに震える低い声。リョウスケがこんな風になるのは初めて見た。
「へー? そうなの。ていうか、ハスミ大丈夫? リョウスケ、汗臭くない?」
ケイの言葉に秒で離れていったリョウスケが、私を気にしながらクンクンと自分の体を必死に嗅いでいる。さっきの怒りはどうしたと聞きたくなるほど必死に。
そんなに気にしなくても、臭いというか、むしろ……
「二人から、良い匂いした」
それでもって……
「ケイもリョウスケも筋肉ついててガッチリしてた」