アウト*サイダー

 やっぱ女で良いや、と思った私はなんて現金な人間なんだろう。

 今までそういう趣味なんてなかったが、女の子とは違う感触に不覚にもドキドキした。

「俺……ハスミの為なら脱いでもいいよ」

 そう言って上の体操服と下のジャージに手をかけて顔を火照らせるケイを、リョウスケが慌てて止めさせる。

「やめろ、やめろ! こんな所で脱いだら公然わいせつ罪で捕まるぞ!!」

「誰も脱げなんて言ってない」

 リョウスケと私の言葉に、ケイがしゅんと大人しくなった。

「ハスミも、あんま男を煽るようなこと軽々しく言うなよ?」

 咳払いをして私に注意するリョウスケに生返事すると、それを見ていたケイが……

「よく言うよ、リョウスケが一番反応してたくせに」

 ボソッと呟いた。

「反応……?」

「おい、何言いがかりつけてくれてんだヨ。馬鹿じゃねーのかヨ」

 あきらかに動揺を隠せてないリョウスケに、ケイのシニカル顔が溢れる。

「ハスミ、そいつが一番危ないからこっちにおいで」

「……うん」

「待って! 人のこと変態みたいな目で見るなよぉ!!」

「……ムッツリョウスケ」

 リョウスケに新たなあだ名が命名された。
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