アウト*サイダー
しかめっ面になるリョウスケだけど、口角が上がるのを堪えきれていない。こうやってすぐ顔に出ちゃうよね、感情が。
「ふん、変な顔……」
鼻で笑って呟いたケイに、リョウスケの目が細くなる。
「へっ! 本当はお前、ハスミにあーんてしてもらった俺が羨ましくて仕方ないんだろ!?」
ビシッと指を突き付けたリョウスケの勝ち誇った表情。私は、今更だが恥ずかしくなってきた。ケイを見ると、しかし、意外にも平気そう。
「リョウスケの場合、あれは餌付けだろ」
彼の言葉に、一瞬でリョウスケの顔が再び赤く染まる。私がつい笑ってしまったことで、より一層赤くなる。
「くそぅ……。いいよ、可愛い七奈美に癒してもらうから」
そう言って取り出した携帯に写し出されたのは、大きなランドセルを背負って満面の笑みをこちらに向ける女の子だった。
「可愛いっ! もしかして、リョウスケの妹?」
「うん、そう。今年小学生になったばかりで、これはランドセルを初めて背負った日に撮ったんだ」
デレンデレンに目尻を垂れさせるリョウスケは、もはや父親みたいだ。でも、こんな可愛い妹がいたら、こうなるのも仕方ないだろう。