アウト*サイダー
「あぁ、サラはね……」
「オーイ、オイオイオイ! 貴重な昼休みなのに、無駄話ばかりしてどうするんだい!? 早くその口に昼飯を詰め込んで遊びに行こうじゃないか!!」
ケイの言葉に被せて言った、どっかの通販番組で雇われてるボブだか何だか言う外国人みたいなウザい口調に、私とケイが凍りついた事を、立ち上がって両腕を広げたままのリョウスケも気付いているのだろう。
無理矢理つくった笑顔が徐々に泣きそうになる彼に、もはや同情してしまう。
「そんなに、この雨の中を遊びに行きたいなら一人で行けよ」
そこに追い討ちをかけるケイは本当に容赦のない奴だ。こんな男の友達でいれるリョウスケが奇異で仕方ない。
私達にそっと背中を向けて座ったリョウスケ。その背中がなんと悲壮に満ちているか。それを面白げに、ふんと鼻で笑うケイの意地の悪さに軽く引く私。
「あんた、友達いなくなるよ」
つい心配になって口をついて出た言葉。しかし……
「でも、ハスミもリョウスケもお人好しだから、結局、俺の事放って置けないでしょ」
悪魔だ、こいつは。
何の悪も微塵に感じさせない笑顔で、さらりと言ってのけるケイに戦慄く。どこまで本気なのか、計り知れないから余計に怖いのだ。
「……そうだよ。俺はお人好しで、馬鹿な、お前の友達だからな」
泣く真似をしていたリョウスケが、顔だけ向けてニッと歯を見せて笑う。そんな彼に、ケイは一瞬だけ顔を歪ませて……けど、何もなかったみたいにわざとらしく、嫌そうに溜め息を吐く。