アウト*サイダー

 残念そうな横顔。ハルちゃんはこういう話が好きなのかな。

「そういえばサッカー部の人は何組なの?」

「ひぇっ!? え、えっとね、と、隣のクラス」

 ハルちゃんの頬が途端にリンゴに変わる。

「今どこにいるのかなー? あ……放課後、サッカー部の練習見れないかなー」

 恥ずかしがってハルちゃんは両手で顔を覆う。乙女ねぇ、とさらに茶化せば耳まで真っ赤に染まった。

 ……そういえばケイは何組だろうか。部活とかしてるのかな。

 でも、あんまり日焼けしてないし、運動部っぽくはない。

 できれば運動音痴であってほしいな。ついでにテストで赤点とってほしい。それで奴に告白して振られたっていう三人の子が、振られて良かったと思えれば報われるだろう。

「あ、ハスミちゃん!」

 人の悪口は口にしないが吉。母がよく言う台詞だが、これは心の声でも同じなのだろうか。

 階段前の曲がり角を曲がろうとした時だった。
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