アウト*サイダー

 何勝手にほざいてやがる。テメェらがしゃしゃってこなきゃ、私とハルちゃんは今でもラブラブして……

『ハスミちゃんが気にすることなんて、何もないよ』

 ハルちゃんの言葉を思い出して、急激に気持ちが萎んでいく。

 結局、こうなってしまったのも、元はと言えば私のせいで。ハルちゃんが私と友達にならなければ河西さん達とも、上手くいっていたのかもしれない。

 ここで私が彼女達の所へ行って、正義のヒーローにでもなったつもりで登場しても、結末は一つだけだ。

 空気の読めない、自己中なハスミちゃん。可愛そうに袋叩きにあって、メソメソ泣いてお家に帰る羽目になる。おしまい。

 私はハルちゃんの為に何が出来るんだろう。

 何をしても、私の自己満足にしかならない。

「というより、田口さんはもう伊織さんのことなんか、どうでも良いんじゃない? だって、いつも谷君と宮永君と一緒で、須賀さんとか篠田さんとも仲良いみたいだから、伊織さんがいてもいなくてもって感じ?」

 別の取り巻きの言葉で、握り締めた拳に爪が食い込んでいた。
< 208 / 466 >

この作品をシェア

pagetop