アウト*サイダー
「あー、堀江くーん! こんな所に居たんだ!」
満面の笑みで手を振って出てきた私の存在に、誰も彼もがぽかんと口を開けて呆然とする。
「あ、ごめん、ごめん。そんなに話したことなかったのに、急にびっくりするよねー?」
うふふ……なんて、出したことのない声で笑う私に吐き気がするけど、今はそんなことしてる場合ではない。
「私、実は堀江君が好きなの」
「……は?」
私の告白がそんなに衝撃的だったのか、堀江君の腹黒い部分が顔を出した。危うく、ハルちゃんや河西さん達にバレてしまうかと思ったが、皆私の登場に気を取られていて、その心配は必要なかった。
「ちょっと……!? 何なの、急に! 頭可笑しいんじゃない!?」
こっちは諸に素が出ていて、金切り声で河西さんが叫ぶ。私はそれを無視して続ける。
「堀江君、返事は?」
取り巻き達も後ろで口々に文句を垂れているけど、さすがに男の前で本性は出せないのだろう。まぁ、それを狙っていた訳だが。
「え……えっと……」
堀江君は河西さん達や私、そしてハルちゃんに目を向ける。
……お願いだから、空気を読んで。普段、読めない私が言うのは可笑しいかもだけど……早く、早くして!