アウト*サイダー
「その告白は、ハスミがしたってことで良いの?」
口火を切った彼に、私はおずおずと頷く。
ケイは膝に肘を置いて頭を抱えるように下を向いた。どんな顔をしているのか見たくても、彼の長い指が顔を覆って見せてくれない。
早まりすぎた私が確かに悪かった。でもさ、そんなに深刻なことかな?
大袈裟な、と思い始めるあたり、私には思い遣りがない。恋愛上手な子なら、彼の欲しがっている言葉をぽんぽん言えるのだろう。
「ねぇ……どんな感じで言ったの?」
依然として彼の表情は見えない。ふざけて言ってるようにも思えなくて、頭を悩ませる。
え、これ、もしかして、ここで言えばいいの?
それとも事細かに説明すればいいだけ?
頭の中がプチパニックだ。もう何にでもなれっていう勢いで言ってしまおう。
「私、実は堀江君が……」
俯いていたはずのケイの顔が、気付いたら目の前にあって、彼の手が私の口を覆っていた。
「堀江の名前で言うなよ……俺の名前で、言ってみて」
言った本人が一番恥ずかしいのか、顔も耳も全部真っ赤に染まっていた。負けず劣らず、私の顔も赤いだろう。
ドキドキと緊張する音が大きくなっていく。口から手を離した彼は、上体を私の方に前屈みにさせたまま、私が言うのを待っていた。