アウト*サイダー
心の声が顔に全面的に出ていたのか、私を指差した篠田さんがケラケラと笑う。それを「ハスミンに絞め殺される前に止めな」と須賀さんが忠告して、上靴を渡してくれた。
二人に礼を言いながら、消化出来ないモヤモヤが腹の中で膨らむのを、ため込むしかないことにストレスを感じていた。
あの告白の後、予想していた通りになった。
クラスメイトには私の醜態が曝され、手始めにまず上靴が隠されるようになった。
今日のようにゴミ箱に(燃えるゴミとして間違えたのかな?)入れられたり、靴箱の中にグラウンドの砂が大量に(砂嵐が起こって入り込んだのかな?)入っていて砂まみれになっていたり。
初日なんか姿形も見当たらなくて、来客用のスリッパで一日を過ごしたが、偶々、学年主任に呼び止められて話していたのを、嫌がらせの告発をしたのだと誰かが勘違いして、放課後に何事もなかったように帰ってきた。
けれど、実は学年主任である青田先生はうちの店の常連さんで、前の晩にシガレットケースを忘れたのではと聞いてきただけだった。
それを見ていた須賀さんが機転をきかせて「やっぱ、さすがのハスミンでもこんな事されたら先生に相談するしかないよね」的なニュアンスで、廊下で話したそうだ。