アウト*サイダー
ハルちゃんの好きな人、堀江君。
彼を見つめる彼女の横顔は今まで見てきたものとはまるで違って、すごく輝いて見える。
本当に好きなんだ。
だって、目にいくつものハートが浮かんでいるみたいだもの。
私も誰かを好きになった時、こんな顔をするんだろうか。
「……あ、ハスミちゃん退屈だよね? 先帰る?」
ぼんやりしてたからか、ハルちゃんが顔を覗きこんで尋ねていた。
「あ、ううん、待って……」
「そうさせてもらうよ」
私の言葉に被せて言った声は少し低くてトゲのある、不機嫌なもの。
振り向けば、表情も不機嫌なケイが立っていた。
「何があったの、あんた。そんな怖い顔して」
「ハスミ、帰るよ」
有無を言わせないケイの様子に、ハルちゃんは何か気付いたように「ハスミちゃん、また明日ね」と背中を押してくるが、私には意味が分からない。