アウト*サイダー
「僕はお店の看板背負う覚悟があります! て感じで啖呵切っちゃえば、面白がって雇ってくれるかもよ」
リョウスケが何のバイトしようとしてるか知らないけど。
「えぇ? そんなの……」
無理、とは言わせない。
「雇う側になってみて? 自分には無理だと思うけど、雇いたいならどうぞ、みたいな人を雇う訳がないでしょ」
「高校生のバイトなんて、ネットに求人載せておけばいくらでも来るだろうし」
私とケイに畳み掛けられるように言われて、リョウスケは黙り込んだ。
……言い過ぎちゃったかな?
「いつものハキハキしたリョウスケのまま、面接すれば良いんだよ。ウジウジしてるなんてらしくないし、疲れるだけじゃない」
ぽんぽん、と背中を叩いた。リョウスケは何度か頷いて微笑んだ。
「リョウスケ、時間やばくないの? 俺もそろそろ、バイトの時間だから行かなきゃならないんだけど」
ポケットからスマホを出して、時間を確認したケイが立ち上がる。言われたリョウスケも立って、彼のスマホを覗き込むと「あ、本当だ!」と声をあげた。私とリョウスケは自転車を取りに駐輪場に向かう。