アウト*サイダー
「いやいや、私はまだ見学してたいし、そもそもなんでケイと一緒に帰んなきゃいけない……」
「ハスミちゃん!」
焦ったハルちゃんが私の口を塞ぐ。
そしてケイを見れば……いつかの時と同じ、悲しげな顔を私に向けていて、また私が悪者扱いだ。
こうなったら選択肢は一つしかなくなる。
「……はぁ、分かった。分かったから、その顔を向けない!」
そうしたら途端に笑顔になるんだから、分かんない奴。
「ごめん、ハルちゃん」
「ううん。宮永君のあんな顔見れるなんて貴重だよ? 仲良くね」
私は前を行くケイの背中にもう一度ため息を吐く。
「親戚の幼稚園児の方がまだ利口だ」
付いて来てないことに気付いた彼が立ち止まって手招きする。
……私って告白されて振ったんだよね。それも、ついこの間。これじゃあ、付き合ってるみたいじゃない?