アウト*サイダー
堀江君の言う“暴走”と“この間”が意味するものが何なのかが分かって、改めて植え付けられる彼への苦手意識。もう、嫌いな人ランキングに入ったのではないだろうか。
私が河西さんたちに掴みかかろうとしていた所に、タイミング良く現れたケイ。それは、このいけ好かない腹黒野郎が仕組んだことだった。
そして、彼は私がまた彼女の所に殴り込みに行くとでも思っていたらしい。私に対するイメージが悪すぎる気がする。噂の所為でもあるんだろうけど。
「その節はどうも」
皮肉たっぷりに言ってやる。堀江君の完璧な微笑みは微動だにしない。
「いや、ちょうど宮永と会ったし、河西と田口さんが前から不仲だって噂は聞いていたから教えてあげただけだよ」
ニコニコ、ニコニコ。
結局、何が言いたいんだ、この腹黒野郎め。
「あ、そうだ……彼氏にサッカー部に入ってくれるよう言っといてよ。彼、運動神経良いからどこも引く手あまたなのに全部断るんだよな」
「……ケイって堀江君とそんなに仲良かったの?」
友達じゃないって言ってたような? でも、私のことを彼に教えてくれたり、サッカー部に勧誘したりするなんて。クラスが一緒な訳でもないのに。
「あぁ、中学の時に同じ塾に通っててさ。気が合うんだ、あいつとは」