アウト*サイダー
「早くーハスミー」
初めから思ってたけど、ケイは良い意味でも悪い意味でも周りに左右されない人なのかな。
「今行くー!」
自分の感情に真っ直ぐって言うの?
分かんないんだけどね。
私を待っているケイの笑顔は嫌いじゃない。
再度ハルちゃんに謝ってからグラウンドの砂を蹴り出して走る。
いつもより鼓動が速い。
「ハスミ、走るの苦手?」
ケイの隣に並んで呼吸を落ち着かせる。
「別に普通だけど」
「鬼ごっことかずっと鬼やってそう」
「……一人で帰りたいの?」
「……ごめん」
暫く二人に無言が続く。隣から視線を感じて、ちらりと目を向ける。
「最後まで鬼やらされてたタイプ?」
「違うから! あと人に指をささない!」
なんだ、このコントは。
くだらない……のに、ケイが目を細めて楽しそうに笑っているのを見ると、それが移って私まで面白くなってくるから不思議だ。