アウト*サイダー
教室にいると、私はとんでもない孤独感を味わう。いつもだ。
例えば授業中に教師の小話が始まって、それを生徒達がつまらなそうにしながら、くすっと笑ってしまっている時とか。
休憩時間にあちこちで友達と輪をつくって、それぞれが、それぞれの話題で盛り上がる声が混ざりあった騒音の中、黙ったまま黒板の上の時計を見つめている時とか。
でも、それは嫌なものではない。
誰も私に構わないから、私は誰も構わなくてもいい。そうやって誰かと接しなければぶつかることもないし、それで傷付くこともない。
けれど、その孤独は教室という空間では異質なものだ。
異質な子は、他の子から嫌われる。
孤独は嫌われ者。
だから、私も嫌われ者。
一つの場所に固まった沢山の目が私を睨んで、そこへ入ることを許さない。
教室が嫌い。
私を嫌っているから。
そこでは息がしづらい。目には見えないけど、水の中なのではないだろうか。皆が平気そうに出来るのは、特別な呼吸の仕方を知っているのだ。きっと、そうだ。
誰も私に教えてくれない。
私は溺れる。
そこから逃げることも許されない。でも、もう息が出来そうになくて、私は逃げた。