アウト*サイダー
助けを乞うことも出来たかもしれない。
でも、僅かに残ったプライドを保つには、それは自滅行為と同じだった。
周りの大人にも、親にも、私の口から“あれ”を言うことは。
唯一、一緒に居てくれたトクラさえ知らない事実。
腕に食い込む爪。
汗ばんだ額が気持ち悪い。
顔を上げて、背もたれに体を預ける。パラソルを見上げたら、その端から飛行機雲がすぅっと伸びていた。
同じ中学校の子がほとんどいない学校に来さえすれば良い……なんて、甘い考え。どこにいたって、どこに逃げたって同じなんだ。
しんどいな、色々と。
大人になれば平気になる。大人になれば強くなる。大人になれば。そう思い続けて小学校も中学校も卒業できた。
でも、高校に入ってまた始まった。私はまた大人になればと信じて堪えるしかないのか。自分と違って、上手く周りに順応する子達を羨んで。
勉強みたいに答えがあったらな。
間違いを見直して、きちんと用意された答えを出せるようになって、新しい問題もその応用を用いて解いていけるようになるのに。
メーデー、メーデー、メーデー。
遭難信号、どこに出せば良いのかな。
メーデー、メーデー、メーデー。
とりあえず、私がまた立ち上がれるように、今は一回休みのマスで待機だ。