アウト*サイダー
* 言葉の裏
「おぉ……おぉ……ハスミぃ、大丈夫かぁ」
半ベソかいて、横になっている私の側になだれ込んで来たリョウスケの首根っこをケイが掴む。苦しげに「ブエッ」と唸り声を出したリョウスケは、彼に退けられていた。
ケイに連れられて保健室に着き、ベッドに寝かせてもらうと私はすぐに深い眠りについたようだ。気が付いたらお昼休憩の時間で、暫く呆然と天井を見つめていた。
そこに、騒がしく入ってきたリョウスケとケイ。保健室の先生がカーテン越しに体調がどうか訊ねて、大丈夫だと答えた瞬間、リョウスケがカーテンを勢いよく引っ張って現れ、現在に至る。
「ハスミ、本当に平気か? まだ辛いんじゃないか?」
ケイの制止も効かず、リョウスケが上体を起こした私の額やら頬っぺたやらを触る。すると、後ろから彼の首に腕を回したケイが「人の彼女をベタベタ触るな」とドスの効いた声で締め上げた。
「うっ……ギブ、キブっす……サーセンっ」
涙目になるリョウスケを解放してやると、ケイは涼しい顔でベッドの端に腰かけた。
「ハスミ、無理してない? 大丈夫?」
一眠りしてスッキリした頭。「うん、ありがとう」と言えば、二人とも安心したように笑みを浮かべた。