アウト*サイダー
あー、変だ。
なんなんだ、これ。
なんとなく気まずくて、そわそわして、不安感でいっぱいになるのに、嫌な感じとか全然なくて、とにかく何か喋らなきゃと普段使わない頭を必死に働かせる。
「き、今日の我が家の晩ご飯は何でしょーか? 当てられたら食堂で奢ってあげましょー」
「え? なに、いきなり」
ケイが不思議そうな顔で振り返った。
「ほら、何でもいいから言ってみ? 宝くじだって買わなきゃ当たらないんだから」
可笑しいのは自分が一番分かってるから、何も言わずに乗ってほしい。
そんな願いが届いたのか、ケイは瞬きを数回してから顔を綻ばせ、体を元に戻した。
「えー、じゃ、ヒントは?」
触れている肩が熱い。
彼の細めた目に私が映る。
「うちのお母さんは韓流スターにお熱です」
「キムチしか出てこない」
「家族全員どちらかというと甘いのが好きです」