アウト*サイダー

 私とケイの間に微妙な空気が流れる。

 え?

 私、間違えたの!? 図書室で他に何が出来るっけ? まさか、図書室にある全ての本を床に並べてドミノ倒しとかするの? しちゃうの?

「二人で本を読むのが良いの?」

 ……間違えてはいないのか。そうか。そういうことか。

「ケイにとってのデートってどんなもの?」

 私達は学校の廊下のど真ん中で何を話しているのだろう。

「レストランを予約して、彼女に綺麗な服を買ってあげて、夜景観ながら食事して……ホテルで良いことする」

 最後はとびきりの笑顔で言っていた。前半は彼にとっておまけに過ぎない。そう、彼はただセックスしたいだけだ。だから図書室なんて言われて納得しなかったのだ。

 何故、分かるのか?

 それはこいつが自己中変態野郎だから!

「たまに君が恐ろしくなるよ。優秀な成績を修めながら、どうしてこうもアンポンタンなのか」

 頭を抱える。

「アンポンタン……? ごめん、それ何?」

 真剣に悩むその横顔さえ私をときめかせる罪作りな奴。それが私の彼氏だ。
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