アウト*サイダー

 えー、顔の話じゃないんだけど。ま、いいか。

「誰にでもいえることだし、特別なことでもないんだけど。関わっていく中でその疑いが消えた人は私にとって大切な人で、いつまでも疑いが消えない人は私と馬が合わない人」

 一応綺麗な言葉で並べてみたけど、簡単に言えば好き嫌いの基準である。

「ちなみに俺は何を疑われたの?」

「変態かどうか」

 無表情で即答した私にケイが何も言えないでいたから、もう一度「変態か否か」と言ってあげた。

「え、それって今も疑われてるってこと?」

 ショックを隠しきれていないケイ。からかうのは程ほどにしておこう。

「ケイは変態だけど、許容範囲だから大丈夫」

 彼が安堵したように息を吐く。変態呼ばわりされることは気にしていないみたいだ。

「でもね、ケイだって疑ってるでしょ、私のこと」

 彼の表情が一瞬だけ険しくなる。怒らせたかな。

「俺は違う。ハスミを疑うなんて……」

「ケイはもう私の特別なのに、特別になれないって不安に思ってた。違う?」

 責めたいんじゃないの。どうか、私の話を聞いて。
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