アウト*サイダー
ホームルームの後、待ちに待った夏休みだと浮かれ立つ生徒達。
「さっそく、聞いても良い?」
私の前の席に来たハルちゃんは、待ちきれないと言わんばかりだ。
横目で奴等を確認する。昼から部活があり、教室でお弁当を食べようとしている。暫くはここから動かないだろう。
「どうぞ、何なりと」
ハルちゃんは事前にいくつか質問を考えていたらしく「どんな感じで付き合ったのか」とか「彼のどこが好きなのか」と、矢継ぎ早に聞いた。
……正直に答えるのは恥ずかしすぎる。でも、ハルちゃんに嘘はつきたくないし。
「どんな感じ……ね。ま、まぁ、流れ? でかな。前から付き合えって迫られてたし。そのくせ自分は女子に告られててムカついてたし」
そういえば最近はどうなんだろ。もう告白されていないのかな。
考える間もなくハルちゃんが、それで、それで、と促す。
「ケイのどこが好きか? ……うーん」
どうやって話せばいいのか分からない。やっと好きって気持ちを知りはじめたから、どう言えばいいのか。……あ、そうか。
「ケイのことが好きって気付かせてくれる所かも」