アウト*サイダー
堀江君の言葉に、一番大事なことを気付かされた。私はまた一人で暴走して、ハルちゃんの為にと、本人には何も言わずにいた。
河西さんが自分の非を認めてハルちゃんに謝れば、きっとハルちゃんも喜んでくれると思っていた。
違う。私の基準で決めつけちゃいけないんだ。
「私もハルちゃんの味方だよ。ハルちゃんがどうしたいか、教えてくれる?」
ハルちゃんは不安そうに私と堀江君を見て、下を向く。それをどう捉えたのか、河西さんが「どうするも何も、私は何もやってないから」と自信満々に喋る。尚も顔を上げないハルちゃん。止まらない声。
「されてもないこと話せる訳がないもの。伊織さんが恥かくだけ。皆から爪弾きにされたくないなら、そのまま黙っていた方がいいわ」
堀江君は静かにハルちゃんを見守っているが、私の我慢はそろそろ限界に達する。あぁ、ダメ。我慢、我慢だハスミ。うぅ、あぁ!
「うるさい口」
禁断症状が出て、開けてもない口から声が出たのかと思った。けど、私のものではない声に困惑していると……
「ピーチク、パーチク喋ってアンタは鳥? あ、鳥に失礼かも。そうね、アンタは鳥以下ね、お可哀想に」