アウト*サイダー
「堀江君……ちょっと……!」
空気を読め、と窘める。が、彼はたがが外れたように笑いが止まらない。そんな狂気にも似た笑い方に、誰も何も言い出せない。
ハルちゃんも顔を引きつらせて視線を落とした。
もう、誰でもいいから助けてくれ。藁にもすがる思いで祈る。
「はぁ……こんなに笑ったの、久しぶりだなぁ」
目に涙まで溜めて、余韻に浸る堀江君。気付け、早く。そんなに笑ってるのは自分だけだと。
「ますます、伊織さんのことが好きになった」
清々しく笑って、彼は焼き付くした野原に爆弾を落とす。もう燃やせるものなんて……あったわ。
「なっ……え? は? 何でっ!?」
燃える彼女の顔を愛おしそうに見つめる堀江君がすこぶる気持ち悪……いや、ここは微笑ましいと言っておこう。既視感があるのは、多分、普段のケイが人目からすればこう見えているだろうから。
「言ったよね? 俺は伊織さんに告白しに来たんだって」
「え……えぇ!? それは……」
私に救いを求めるハルちゃん。その横にいる奴からのビーム光線が痛い。分かってる。分かったわよ。助太刀致そう!
「ハルちゃん、行ってらっしゃい」
堀江君が満面の笑みでマイエンジェルを連れ去っていく。あぁ、愛しき我が姫よ。どうか穢れなき御心を失くしませんように。