アウト*サイダー
長かった一学期が終わった。息を切らして昇降口までやって来た私は達成感と疲労感でヘトヘトだ。
二人が薔薇色の空気だけを置いていった教室に残された私。深く考えずに送り出した私。
……私を一人にしないでぇぇっ!
と、手を伸ばしたところで、てな感じな訳でありまして。「名誉毀損罪、侮辱罪、人権侵害罪。しかと覚えとけよ」捨て台詞を見事に決めて、私は奇跡の生還を果たした。
いやぁ、死ぬのかと覚悟したけれど……あっぱれ、あっぱれ!
あはは、と笑いながら足も手もぶるぶる震えて、しゃがみ込む。
怖かった。マジで。
「……ケイ」
膝に頭を乗せて呟いてみるけど、魔法みたいに現れてくれるはずがない。いつもの如く「用事があるから先に帰ってて」と言付けたのは私なのだ。
それでも、頑張ったねと頭を撫でてほしいなんて。会いたいなんて。この我が儘さは、自分でも呆れる。
とにかく震えが止まったら帰ろう、すぐに。せっかくの夏休みなんだから。彼氏に会えないのが何だ!
こんなところでグズグズしている時間が無駄じゃないのか、ハスミ!
立て! 立つんだジ○ー!
「今日は水色だね」