アウト*サイダー

「傘ないのなら貸そうかって……そしたら、ありがとうって、笑顔で言ってくれて! しかも、私のこと知っててくれたの!! 練習見に来てくれてたよねって。私、舞い上がっちゃったんだけど、名前とクラスを聞かれて……バイバイって、手を振ってくれて!」

 いつにもまして喋るハルちゃんの気持ちを一旦落ち着かせようと肩に手を置いて深呼吸をさせる。ハルちゃんの顔も、耳も真っ赤だ。

 恋に必死なんだな。

「じゃあ、ハルちゃんは堀江君に告白するの?」

「えぇっ!? いや、それは……」

「それは、しないの? 好きなのに?」

 好きだと分かってるのに、相手に自分の気持ちを言わないのか。そういうものなのかな。

「だって、私、ハスミちゃんみたいにスタイル良くないし、可愛くもないから」

 私はただ肉付きが悪いだけ。男の子はどちらかと言うとハルちゃんのように女の子らしい柔らかい子の方が良い……とテレビでやってた気がする。

「自分をそんなに悪く言わなくていいよ。ハルちゃん可愛いから、自信持たなきゃ」
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