アウト*サイダー

 本当にハルちゃんは可愛いと思う。

 こうやって悩む彼女にクラスメートの男子から視線が向けられているし、何人かが声をかけていく。

 きっと堀江君だってハルちゃんに好意を持たれていると知れば嬉しくならないわけがないのでは……と、勝手に私は考える。

「ありがと、ハスミちゃん。……それで、宮永君とはどうなったの?」

「んん? ……ハルちゃん? どう、とは何?」

「あれ? 一緒に帰ったでしょう? 二人の仲に進展があったんじゃないかなぁって思って」

 ケイの綺麗な首筋、触れた体の熱、電車の窓越しに合った物憂げな目。全部が今、私の目の前にあるように思えて息が詰まる。

 苦しくって、ため息を吐いた。

 それから思い出す。

「……ハンバーグ、だったんだよね」

「ハスミちゃん? ハンバーグって?」

 まさか当たるとは思わなかったな。
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