アウト*サイダー
『他の男にハスミの体を見られるなんて絶対許せない』
予想以上にキレられた。よもや、予定をキャンセルしなければいけないかと思うくらい。
何を言おうとも、駄目の一点張り。しまいには『俺より友達の方が大事?』と言い、『プールで遊びたいなら俺の家においで。ハスミの為に作ってあげるから』とまで言われた。
多分、家庭用の、小さい頃はよく遊んだビニールプールだろう。あれで高校生二人が遊ぶには、ちょっと……。
ケイの水着姿を想像してみて、顔が赤くなったのは誰も知らない。口ごもった私に電話の向こうから、依然として愚痴が聞こえていた。
彼は心配性を通り越して、女々しい奴だと分かった。私への独占欲が良いと思っていたが、強すぎるのも考えものみたいだ。
俺も行くと彼が言い始めてから、三十分ほど口論が続いた。
「結局、反対されたまま?」
不安げな表情を向けるハルちゃんには何も言わず、ただ首を横に振った。
……言えないよ。口論の末に、私の水着写真で決着がついたなんて。
二人とも声をあらげて息を切らしていた。私がやけくそで、水着を着た写真を送ると言ったら、彼は今までの口論なんかすっかり忘れて、どんなポーズでどんな角度で……と、指示を出してきた。
恥を忍んで送れば、彼は嘘みたいに大人しくなったのだった。