アウト*サイダー
バスから降りて家までの道を歩く。夕方でも普通に暑いし、汗が止まらない。顔をごしごし拭ってしまいたくなるが、せっかく綺麗にしてもらったのが汚くなるのは躊躇われた。今はとにかく水分が欲しい。
『私ん家に直行で来てくれても良いけど、着替えとか色々持ってきたいだろうし、一旦解散してから集まろう』
お泊まり会なんて何年ぶりだろう。それに今日は新しい服も買えた。紙袋に入ったそれを眺めては上機嫌になって鼻歌でも歌いたくなる。
あ、そうだ。
ケイにお泊まり会のこと自慢しよう! きっと羨ましがる。男子禁制の秘密の夜会。楽しいに決まってる。
携帯を耳に当てて、軽やかにスキップする。しかし、その足は徐々に重くなっていく。手を下ろした私は口を曲げて溜め息を吐いた。
そういえば、夕方からバイトだったな。
夜になれば連絡をくれるだろうから、その時でいいか。
気持ちを切り替え、コンビニへと足を運ぶ。夜食は須賀さん家の近所にある、深夜でも開いてるスーパーで買い込むことになってるから、水分補給のカフェオレだけ買って帰ろう。
……カフェオレは私の源なのだ。誰にも異論は認めさせない。
コンビニに入って、その冷気にほっとする。首に流れた汗を拭いて、いつも買うカフェオレの所に向かう。