アウト*サイダー
スーパー銭湯でゆっくりと過ごした後、夜食の買い出しに行き、再び須賀さん宅に戻ってきた頃には時計の針が十を指していた。
そこから、特大の冷凍ピザやらスパゲッティ、チキンナゲットなど、大量に仕入れたはずの食料を短時間の間に四人で食べきり、更にコンビニでスナック菓子とファミリーパックのアイスを買って、それをつまみに、いつまでも駄弁っていたら、気づけば日をまたいでいた。
最初に落ちたのは篠田さんだった。スナック菓子が散乱するローテーブルに頬をつけながら手当たり次第にお菓子を口に運んでいる最中に寝てしまった為、その手はお菓子を握ったままで、口が半開きになっている。
「ほんと、コイツは……三才児かよ」
悪態をつく須賀さんだけれど、口元は弧を描いて、大事な妹を思いやる姉のように頭を撫でる。私もハルちゃんも、姉妹のような二人を微笑ましく見守った。
しかし、篠田さんをそのまま放っておく訳にはいかず、三人がかりで彼女をベッドまで運ぶ。
「重量級の三才児め!」
「ふぅっ……言いたくないけど、腹立たしいくらい重かった」
「細く見えるのに、ちょっと予想以上だったね」
本人が寝てるのを良いことに好き勝手言うと、篠田さんの眉間に皺が寄せられた。一瞬ヒヤッとしたが、部屋の電気が眩しかったらしく、ごそごそと寝返りを打って、私達に背を向けた。