アウト*サイダー
三人で後片付けをして、食器とゴミを持ってリビングに降りる。
「食器は食洗機の中に入れといて。ゴミはこっちね」
須賀さんの指示の通りに動き、一段落してから大きなソファに三人で埋もれた。高級そうな革の匂いがした。
「なんか、あっという間だなぁ」
プールの時もそうだった。四人でいる時間はすごく短い気がする。ぼやいた私の言葉に、両隣で頷くのが横目に見えた。
「だよね。楽しすぎて、時計見るとびっくりする」
「分かる。今、何時だと思う? 二時だよ」
須賀さんが苦笑とともに言う。たまらず、私の口が大きく開いた。すると、不思議なことに、今まで感じてなかった眠気がどっと押し寄せてきた。
「ちょっと、ハスミンまで寝落ちしないでよ?」
顔をしかめる須賀さんが面白くて、彼女の首に腕を巻き付けて目を閉じる。その私の背中にハルちゃんも乗っかった。
長い溜め息が上から聞こえてきたと思ったら、ぺしぺしと頭を叩かれ始める。痛くはないけど、高速で叩かれると脳が揺さぶられているみたいで、その不快感に顔を上げた。
「ハルルも起きなよ」
化粧をしていない須賀さんは中性的な顔立ちをしていて、優しく笑うとそこら辺のイケメンが霞んで見えるくらいイケメンに見える。て、そんなことより……
「え、待って、須賀さん。私だけ対応が雑だったりしない? 何だか篠田さんに対するそれと同じように感じたりするのですが?」
「ごちゃごちゃ言わずに私らも寝るよ。可愛い、可愛いハルル。起きて?」
絶対そうだ。ハルちゃんの時だけ顔も声も一段と優しくなる。贔屓だ!
私の訴えはことごとく無視されたのは言うまでもない。
だから、愚図った私はベッドで眠る篠田さんに抱きついて寝た……のだけど、彼女の寝相の悪さに一睡も出来なかったので、翌朝、一人だけ顔色が悪かったのを皆に笑われた。