アウト*サイダー
初めは触れるか触れないか位の軽いキス。二回目は両手で顔を包んで、押し付けるようなキス。
両親が二人とも出掛けているとはいえ、家の前でこんなことをしているなんて……と思う裏で、喜びと高揚した気持ちがあるのを否定出来ない。
顔を離したケイが、ふと、ふにゃふにゃな笑顔になって私の名前を呼んだ。あら、可愛い。
「ハスミの要望通りにしたよ。どうだった?」
顔を覗き込んで小首を傾げる。そんな可愛い上目遣い、どこで教わったのやら。可愛すぎて女である私の立場がないではないか。
「どう、て言うか、家の目の前でよくこんな…………。お父さんが居たら、間違いなく処されてたよ」
彼の体を押しながら顔を背けて言う。ケイが可愛すぎるというか、私が可愛くなさすぎるのだな。
「満足出来なかった? そうだよね、あれぐらいじゃ足りないよね。それじゃあ、もう少しだけ……」
私の言葉を完全にスルーしたケイの顔が近づいてくる。こやつは……! と、体を後ろに引こうとした私。それを見越していた彼が腰に手をやって、自分の方へと寄せる。
私が満足してないんじゃない。自分がしたいだけだろう!
人の唇をおもちゃみたいに何度も口付けては面白がる彼の唇を、軽く噛んでやった。さすがに吃驚したのか、ケイが一瞬静止する。
ふふん、どうだ。と、してやったり顔を向ける私に瞠目していた彼だけれど、だんだんと表情が変わる。
噛まれた唇を舌で舐め「今の最高に良いよ。もっと、して欲しい」恍惚とした顔でキスをねだられた。