アウト*サイダー
秘密の場所だなんてケイは言ったけど、結局は狭い学校の中。どうせ大した所ではないと思って連れられて来たのは校舎の外で、グランドの隅をひたすら歩く。
「あのさ……ほんと、どこ行くの?」
さらに体育館をずっと横切って、そのまま奥へと進むケイ。
いまだ手は繋がれたままで、先に見えてくるのは鬱蒼と生い茂る緑と、それに埋もれているが、かろうじて確認できる鉄柵。
私の声が不安でいっぱいなのをよそに、ケイは繋いでいた手を離した。
止まった私の足に気付かないで、彼は慣れたように手入れされていない草木を掻き分けていき、
「ここが秘密の場所への入り口」
彼お得意のいたずらな笑顔を向けられる。
太陽の光は傍らにある大きな木で隠されてて、そこはほんの少し暗い。怖じ気付く私は陽射の当たる所から一歩踏み出せないでいる。