アウト*サイダー
私はどちらかと言うと真面目な生徒なのだ。
小学生のときからずっとだ。
学校で同級生がこそこそとお菓子を持ってきていても私は絶対に食べなかったし、学校帰りに寄り道もしなかった。中学生の頃はタバコも、高校生になってからも補導経験なんかない。
そんな私が無断で学校から抜け出そうとするなんて話があっていい訳がない。
「大丈夫! 一度もバレたことないから」
ケイが私へ手を伸ばす。それでも私は頑なに首を振る。
「ほら、ハスミ。ここ鉄柵が壊れてて全然通れるし、誰も見てない」
「そういう問題じゃないよ。私を不良にする気?」
私はいたって真面目な話をしていると言うのに、ケイが途端にお腹を抱えて笑いだすから、私の頬が一気に熱くなる。
「わ、笑わないで……っ! とにかく私は行かないから」
「ごめっ……だって、あんまり困った顔が可愛くて」
悪いと思っていないだろう彼は笑うのを全然やめない。こっちはいつ誰かに見つからないかと、びくびくしているのに!