アウト*サイダー
私は体を屈めさせて恐る恐る手を伸ばし、覆い隠している草や蔓を掻き分ける。向こう側の地面が見えた。
そこは学校の外だ。
躊躇う気持ちに手を引っ込めようとした……のに、何かの力で体が前へ飛び込んで、次の瞬間には穴の中をくぐり抜けていた。
急に明るくなった視界。
白くぼやける世界。
そんな中で私を繋ぐ彼の熱とシルエット。
だんだんと光に目が慣れてきて、辺りを見渡してみる。
「ここは……?」
私とケイが立つ、開けた場所のその周りは木や草花が自然のままに生え、前に立つ煉瓦の平屋と両側に塀を挟んで建つ二階建ての家に囲まれているから死角となって、確かに誰にも見つからなさそうだ。
「俺の隠れ家」
ケイが私の目を覗き込むようにして言って、傍らにあるペンキが所々剥げたベンチへと誘う。