アウト*サイダー

 先頭の子の名前は、確か……

「か、河西さんっ……あの、ごめんなさい」

 ハルちゃんが顔を青くして縮こまる。河西さんは何がそんなに気に入らないのか、冷ややかな目を私たちへ向けていた。

「ドアの前で、そんな風に突っ立ってたら邪魔じゃない?」

 河西さんの問いかけに後ろの子たちが同調してうんうん頷くけど、突っ立ってて邪魔だと言っても全然人が通れるし、実際数人が通っていた。

 どうして、こうやって嫌な感じに文句をつけてくるのだろうか。面倒くさいな。

「邪魔だったのなら謝るけど、文句つけたいだけなら他でして」

「ハスミちゃん……!!」

 何か言い返さないと、と思っていた私をハルちゃんが焦ったように制止する。訳が分からないで困惑する私に構わず、彼女は河西さん達に向かって頭を下げた。

「本当にごめんなさい! もう河西さん達の邪魔しないから……ごめんなさい」
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