アウト*サイダー

 そっか、そうだよね。

 もう私たちは十五、六歳。恋の一つや二つ、していても不思議じゃないわ。

 逆にしてない方がおかしいのかも。

「私は太ってるし、可愛くないから、絶対叶わないけど……私、サッカー部の堀江君が好きなの」

 はにかむハルちゃんを、誰が可愛くないと言うのだろう。白い肌にぽっと染まる赤い頬は、まるで絵画に出てくる天使そのものだ。

「なんでその堀江君が好きだって分かったの?」

「うーん、なんでかな? 気付いたら気になってて、その人を目で追うようになって。サッカーしてる時のイキイキした表情とか、普段の落ち着いた雰囲気とかも格好良いの!」

 格好良い……そう、そうね、見た目は大事。

 何かに頑張っている姿も。

 男の子だって、きっと女の子の見た目は見てるはず。それから、他の子とは違う輝く姿を。

 私は特に華がない平淡な顔立ちで、勉強もそこそこ、帰宅部。

 ……あれ、良いところと言えば、あ、そう、好き嫌いなく食べることだ。
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