アウト*サイダー
どうしたのか。頭に浮かんだケイの姿にこんなに動揺するなんて。
いや、でも、今日は色々なことが起こりすぎたから。
彼の美味しそうに食べる姿や屈託なく笑う姿、将来のことを話す横顔も、お日さまに当たる寝顔も、少し前まで全然知らなかったのに、こうやってふとした時にケイのことを考える私に自分自身が驚いている。
「ハスミ、マジなの……?」
トクラも信じられないという驚愕の表情で私の顔を指差す。
「は? マジって何のこと? 私、虫とか全然触れるし、平気だけど。むしろ、ちっさい虫にキャーキャー騒いで男子に構われようとする女子の方が苦手」
私はトクラの指を下におろさせて目をそらす。
「分かりやす過ぎだから。ハスミ、あんた告白されたんだね」
下手に喋らないでおこう。お口チャックだ。
「それも、イケメンに」
「待て、待て、待て。私がただの面食いみたいな言い方しないでいただきたい」
「あら、告白されたのは否定しないんだ」
くぅー!
今度こそお口チャックだ。我慢するんだ。