アウト*サイダー
* 離れる手
いつもより早起きをした。雲が一つもなくて、太陽はご機嫌だ。人の通りがまだ少ない通学路を颯爽と自転車で駆けていく。青々した木々が揺れる風に私の髪も吹き上げられる。
一日の始まりとしては上々。……なのに、学校が見えてくると気持ちがずんと重くなる。
昨日はトクラにみっちり説教をされた。
ハルちゃんのことと、ケイのこと。
ハルちゃんには一刻も早く誤解を解こう。メールか電話をしようとも思ったが、やっぱり直接顔を見て話さないと、私の気持ちは伝わらないだろうからやめた。
ただ単に私がアナログ人間だということもあるのだけど。
ケイについては……今のところ何も考えていない。あのトクラでさえ最終的に彼のことが分からないと匙を投げたのだ。
それに……
『一方に好意がある男女で円満な友人関係は不可能』
だとも言われて、私としてはお手上げ状態な訳だ。