アウト*サイダー
* 和らぐ
「度胸あるなぁ、ハスミ」
校舎から食堂をつなぐ外廊下に出て、すぐに聞こえた声に驚いて振り返ったら、開けっぱなしの扉に寄りかかって立っていたリョウスケが軽く手を上げて「よっ!」と私の隣に並んだ。
「リョウスケ……もしかして……」
「ん? あぁ。全部見てた。ケイの告白断ったって聞いた時から思ってたけど、ハスミって、何かすげぇよな」
感心した眼差しを向けられる。でも、全く嬉しくなれない。そもそも、知り合ったばっかりの奴に今の場面を見られて恥ずかしくならない訳がない。
リョウスケから顔をそらして少し歩幅を大きくさせる。けど、彼の方が足が長いから、難なく追い付かれてしまった。
もういいや、と諦めてため息を溢し、リョウスケを見上げる。すると、私の視線に気付いた彼が片眉を持ち上げて首を傾げさせた。
……そうだ、この際だから聞いちゃおうかな。
「ずっと気になってたんだけど、何で私のこと知ってたの」