アウト*サイダー
「ケイが?」
信じられないといった表情を向けられる。私はうんうん頷いて首を竦める。
「ほら、休み時間に教室を通りかかった時、急にどっか行っちゃったじゃない? 多分、避けられたんだと思う」
まぁ、昨日のことがあるから仕方ないと言えばそうなんだけど。ケイならそんなの関係なしに、いつもみたいに私の所に来てくれるもんだと思ってたから、今日のあの姿を見てちょっとショックだった。
「ハスミ、そんな落ち込むなよ。俺なんか、ずっと避けられっぱなしなんだからさ」
「えぇ? でもさっき、中学からの友達だって」
リョウスケを見上げると、彼はわざとらしく嘆息をこぼして悩ましげに眉を下げた。
「おお、友達だよ? その友達をあいつは平気で無視するんだ。酷くね? ちょっと顔が良くて、成績も良くて、難しそうな本を休み時間に一人で読んでるくらいで、この俺を邪魔者にしやがる」
最後は眉間にシワを寄せて言葉を吐き出していた。そういえば、リョウスケっていじられ役なんだっけ。
「へー、かわいそう」
「おい、やめろ。感情が一切こもってない同情ほどムカつくもんはないぞ」