アウト*サイダー
リョウスケと一緒に歩いていく内に見えてくる食堂。その入り口には食券を買うのに並んでいると思われる列が外にはみ出ていた。
「ハスミは弁当持ってきてるのか」
リョウスケは私が持っていた、お弁当の入ったトートバックに目をやって聞く。
「あ、うん」
そうだ、ハルちゃんが食堂で食べるから私もこっちに来てたんだ。
うーん……どうしたものか。今さら教室に戻るのも面倒だけど、食堂で席をとるのもなぁ。
混み合う食堂を遠目で見て軽くげんなりしてると……
「俺、買ってくるから一緒に食おうぜ。あ! 急に居なくなるとかやめろよ? ここで待っとけよ」
必死になって止めるから、その勢いに押されて頷いた私にリョウスケは子供みたいな笑顔を浮かべて走りだす。
「すぐ戻るからな!」
駆けながらこっちを振り返って叫ぶリョウスケに、そんなに念を押さなくても、と呆れながら手を振って、やっと食堂の中に入っていった。