アウト*サイダー
「外で食べると、いつもより美味く感じるよな」
普段、誰も使わない非常階段にリョウスケと並んで座る。彼が見つけた特等席らしい。教室に戻りづらかったから遠慮なく居座らせてもらう。
彼は焼そばパンを口いっぱいに頬張って言った。私は膝の上に弁当箱を乗せて、きんぴらごぼうをちまちまと食べる。
ハルちゃんは今何をしてるんだろう。
ちゃんとご飯食べてるのかな。
これから、どうしよう。
やっぱり私が口を挟むべきではなかったかもしれない。もっと、何か、上手く立ち回れなかったものか。
「なぁ、ハスミ」
自己嫌悪の渦に飲み込まれそうな寸前で声をかけられ顔を上げれば、壁に背中を預けてこっちに体を向けた彼と目が合う。
「ん?」
「ハスミって、友達少なそうだよな」
「……もしかして、喧嘩売ってる?」
低くなった声にリョウスケが慌てて首を横に振った。
「そんなつもりじゃないって! 何て言うか、上辺だけの付き合いとかしなさそうって意味で、そういうところがケイと似てるんだ。だから、放っておけない感じがして……つまり……」
「つまり?」
「お前と友達になりたいんだ」