シンシアリー
「ユーグ」
「はっ!い。姫様」
「また、会える?」
「あぁ、そうですね・・・もしかしたら両親の家でまた、姫様にお会いできるかもしれません」
「ええ・・・そう願うわ。それじゃあ。ユーグ」
「姫様」

・・・姫様。俺・・・本当は、毎日でも貴女に会いたい。でも、一端の騎士である俺が、姫様に相応しいとは思えません。だから・・・俺は今後、両親の家を訪問する機会を増やします。そうすれば、貴女と「偶然」会える機会がそれだけ増えるから。
実は咄嗟に思いついたことだったけど、それが今の俺にできる、貴女に会える機会を増やす手段。俺の精一杯な妥協案です。
姫様。9年会わなかった間に貴女はますます聡明になられた様子。それに、可愛らしかった当時5歳の姫様は、9年経ってとても美しい女性に成長された・・・。

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