シンシアリー
論理学という学問は、レティシア姫の好奇心と知能を大いに刺激した。
知らないことを知ったときの驚きが、のちに一つ一つ、自分の知識となっていくことは、姫にとって喜びであり、何物も代えがたい「財産」となった。
共に学ぶクラスメイトたちは、ここでもクラス最年少である姫のことを、やはり「ザッハルト家の姫」として見た。名と家柄を重んじる上流階級に属する者であれば、当然のことだ。
だから彼らは最初の頃、姫のことを「レティシア様」や「姫様」と呼んでいた。
しかしレティシアは、「どうぞ私のことは“レティシア”と呼んでください。ここは学校なのだから“様”はいりません」と「宣言」した。
それでも彼らは、大公様のご令嬢に向かって「レティシア」と呼び捨てにするのは・・・と遠慮したのだが、最終的には姫の意見を尊重して―――もちろん、姫に敬意を払った上で―――「姫」と呼ぶことにした。
いかにも上流階級にありがちな“秘話”である。
知らないことを知ったときの驚きが、のちに一つ一つ、自分の知識となっていくことは、姫にとって喜びであり、何物も代えがたい「財産」となった。
共に学ぶクラスメイトたちは、ここでもクラス最年少である姫のことを、やはり「ザッハルト家の姫」として見た。名と家柄を重んじる上流階級に属する者であれば、当然のことだ。
だから彼らは最初の頃、姫のことを「レティシア様」や「姫様」と呼んでいた。
しかしレティシアは、「どうぞ私のことは“レティシア”と呼んでください。ここは学校なのだから“様”はいりません」と「宣言」した。
それでも彼らは、大公様のご令嬢に向かって「レティシア」と呼び捨てにするのは・・・と遠慮したのだが、最終的には姫の意見を尊重して―――もちろん、姫に敬意を払った上で―――「姫」と呼ぶことにした。
いかにも上流階級にありがちな“秘話”である。