シンシアリー
「・・うむ。その通りだな。ではレティシアよ。おまえには何か策でもあるのか?」
「はい。これです」

レティシア姫は、持参していた本のとある1ページを開き、それをニッコリと微笑みながら、ゼノス大公に見せた。

「こ、これは・・・!」
「アンドゥーラの未来の発展のため、そして民がより暮らしやすくなるために必要なものです」
「しかしレティシア!これを一体どうしろと!?これを扱える技術を持った者など、わが国にはおらぬはずだ」
「そうですね。恐らく、貴族院のウィードン子爵あたりから、まっ先にそのような“意見”が出るでしょう。あの方は非常に・・保守的な考えの持ち主のようですから」
「な・・何故、それが分かる・・・?」
「過去の議事録を読めば、簡単に想像がつきます」

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